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時間外労働と労災認定

労働時間の長さとメンタルヘルス不調の関係は

頻繁に話題になりますが、

長時間労働により発生する疾患は必ずしも

心の部分だけではありません。

長時間労働と脳血管疾患や心疾患は深い関係が

あると言われています。


しかし、それらの疾患は必ずしも長時間労働だけが

原因となるわけではなく、ご本人の食生活などの

生活習慣も原因となる場合があります。

そうなりますと、労働基準監督署はどの様に

その疾患が私傷病なのか、それとも長時間労働により

発病したものなのかと判断するのでしょうか?


原則として、その様な疾患が発生し、労働者若しくはその

ご家族が労働基準監督署に労災認定の申請をした場合、

監督署はまず発病の直前の労働時間を調査します。


発病の前1ヶ月から6ヵ月間を平均し時間外労働が月45時間以内の

場合は、業務と発病の関係性は弱いと判断します。

そして発病前1ヶ月間に100時間を超えて時間外労働をさせた場合、

若しくは発病前2ヶ月から6ヶ月間を平均し時間外労働が月80時間を

超えた場合は、発病と業務の関係性が強いと判断されます。


また監督署は労働時間のみならず、発病前1週間の間の業務量や

その内容なども調査をし、同僚などの状態も把握した上で

客観的に判断します。

それだけではなく、長期的な期間においても同様の調査を行った上で、

発病の前日までに極度の身体的、精神的なストレスとなるような出来事が

発生したかどうかと言う点も重要視されます。


現在、日本は不況の真っ只中にあり、

なかなか新たに労働者を雇入れることが難しい場合が

あるかと思います。

しかし、長時間労働を恒常的に行わせる事は

会社側にとってリスクになる場合があります。

もし、労災として認定された場合は、

労働者やそのご家族から損害賠償を請求されるケースも

ございますので、気をつける必要があります。

予防するためには産業医の選任も

効果があるかと思いますが、

選任が義務付けられていない会社では

なかなか難しいことが多いのが現実だと思います。

その中で会社側ができることは、

やはり労働時間の管理を厳密に行うことと

労働者の方々の健康状態や疲労状態を

注意深く観察することなのではないでしょうか。

そのことにより会社も、そして労働者の方々も

安心して業務を行うことができると思います。